いつまでもトラの威を借りることはできないということでしょう。北朝鮮が6か国協議の議長国の中国に核申告をしたことで、かねてから言われていた通り、アメリカは直ちに北朝鮮のテロ支援国家指定解除を表明しました。これで日本の「拉致問題を、アメリカの北朝鮮へのテロ支援国家指定を絡めて交渉する」という戦略が事実上、失敗したといって良いでしょう。
中国が会見「北朝鮮が核申告」 米はテロ指定解除を表明 (1/2ページ) - MSN産経ニュース から2008年6月26日22時4分に引用北朝鮮の核問題に関し、韓国の柳明桓外交通商相は26日、記者会見し、北朝鮮が同日、六カ国協議合意に基づく核計画申告書を議長国の中国に提出したと明らかにした。核申告提出を受け、米政府も同日、見返り措置として、北朝鮮に対するテロ支援国家指定解除のための議会通告と対敵国通商法の適用除外に向けた国内手続きに踏み切る。
今回のアメリカの対応には非常に残念に思いますが、アメリカとしてみれば、北の核廃棄プロセスに中国をしっかり絡めてしまえば、テロ支援国家の解除は譲歩できるということでしょう。米朝2国間交渉でダマされた場合、恥をかくのはアメリカだけですが、中国を絡めてしまえば、恥をかくのは北朝鮮の「宗主国」を自称する中国ですからね。
残念ながら、今回の結果で拉致問題への戦略が失敗したといってよい日本ですが、これが本来の「あるべき状態」だと思います。トラの威を借りた交渉の美味しさは非常に魅力的ですが、交渉の成否はトラの気持ち次第というのは、外交としては絶対に情けないですからね。ですから、これを機会に自力交渉で勝ち取っていく姿勢を持つことを期待したいと思います。
これからの日朝間の交渉ですが、これまでの対北強硬派の背後に隠れた形となっていた「融和派」が、情勢の急変によって、交渉の表舞台に立つ形となってしまったことが皮肉ですね。融和派に対して批判的な意見を持つ方にとっては不満が強いかもしれませんが、「成果」を得るチャンス面で考えると、理想的な状況かもしれません。融和派の「話し合い路線」の背後で、強硬派が安易な妥協をさせないようにプレッシャーを掛ける形となりますからね。
中途半端さは隠し切れない北朝鮮の核申告ですが、これからが6カ国それぞれにとっての本当の勝負でしょう。日本も各国の圧力に屈することなく、戦果を得て欲しいものです。拉致問題は2国間交渉でカネは出すなんていうのは、論外中の論外ですが、カネというカードは、意外と効果的なカードかもしれません。まとまったカネは絶対欲しい北朝鮮と、できるだけカネは出したくないというのが本音の米・中・韓・露の4カ国の立場を考えると、「(日本の納得する形で)拉致問題を解決すればカネを出す」という日本の立場は、両方のネックを埋める存在のはずですからね。
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・北朝鮮のテロ支援国家指定、米大統領が解除を議会通告発表 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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>>ブッシュ氏、ライス氏ともども、最後は自分の実績を残す事を選択したようですね。
最後に実績を残したがるのは、人間の性なので仕方がないでしょう。同盟国とは言え他国のことなので、それ以上のことを言っても、負け犬の遠吠えにしかなりませんからね。
日本の戦略が破綻したとはいえ、未だ日本の持つ「資金援助」が有力なカードであることには変わりないので、今後はこれを最大限に活用して拉致問題の解決を勝ち取って欲しいものです。