どんな仕事にも、プロとして絶対に守らなければいけないことがあるはずです。医者の患者の治療上(今回は微妙に違いますが・・・)で知りえた情報と、ジャーナリストのニュースソースの秘匿も当然その中に入ることは言うまでもないでしょう。
「情報源は精神科医」草薙さん認める…法廷で異例の証言 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) から2009年1月14日22時17分に引用奈良県田原本町の放火殺人事件で少年(18)の供述調書などを漏らしたとして、刑法の秘密漏示罪に問われた精神科医崎浜盛三被告(51)の公判が14日、奈良地裁(石川恭司裁判長)であった。
調書を引用した単行本「僕はパパを殺すことに決めた」の著者でフリージャーナリスト草薙厚子さん(44)が出廷、情報源について「崎浜先生です。崎浜先生、申し訳ありませんでした」と述べ、崎浜被告が情報源だったことを初めて認めた。
法廷でジャーナリストが情報源を明らかにするのはきわめて異例。
医師が職業上知りえた情報である以上、本来は秘密されるべきものである供述著書をジャーナリストに見せて、「調書は公共のもの。取材に応じたのは正当な理由から」
(※1)としゃあしゃあと無罪をのたまっている崎浜被告が論外なのは言うまでもありませんが、一度は裁判長に禁じられたにもかかわらず、ニュースソースを自ら明らかにした(しかも検察側の質問でです)草薙氏は、誰がどう見てもジャーナリストの資格がないと言わざるをえないでしょう。これでは不起訴になって「安全圏」にいる草薙氏が、崎浜氏を見捨てたとしか写りませんからね。
とは言うものの、今回の裁判では、崎浜被告が草薙氏に供述調書を見せたことを認めているので、ニュースソースである崎浜被告に唯一の致命傷にならないことも事実ですが、今回の草薙氏の発言が崎浜被告に対して、著しい不利益を与えたということは否定できないでしょう。もっと言ってしまうと草薙氏の今回発言は、「ニュースソースを最大限守る」というジャーナリスト全体に対する信頼に対して、非常に大きな傷を負わせたということです。「元々そんなものはありゃしない」ということも事実ですが、暗黙の事項と白日の下に曝すことの間には、非常に大きな差があるはずです。
草薙氏は弁護人の「命をくれとは言わないから、筆を折ってもらえないか」
(※2)に対して、「折りません」とのたまっていますが、ジャーナリストは自分たちの信頼回復のために、草薙氏の筆を折らせるべきでしょう。今回の草薙氏の発言は、そこまでしなければならないくらいに重いはずです。
この記事の関連リンク
・asahi.com(朝日新聞社):「情報源は鑑定医」著者が証言 放火殺人調書漏出公判 (※1)
・ 【奈良・供述調書漏洩】草薙さん「崎浜先生の利益に、と情報源を秘匿」 (1/3ページ) - MSN産経ニュース (※2)
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